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改正物納制度 ココに注目!

掲載日:2007年5月15日
「判定基準」が明確になった分、
「手続き期限」もタイトに
株式会社 国土工営 代表取締役 澁谷一夫

相続税の納付方法には、1.金銭による一括納付、2.延納、3.物納の3つの方法があります。本来、税金は金銭で一括納付することが原則ですが、相続税に限っては、他の税と違い財産税的な性格を有することや、一時に多額の納税をしなければならない、などの状況を考慮して、特例および例外として延納・物納が認められています。

しかし、バブル崩壊後の地価下落などにより物納が急増するなかで、次のような様々な問題が指摘されてきました。

(1)物納申請から許可・収納までに長期間を要することがある。

案件によっては、申請から10年以上経っても、許可も却下もされず「処理未済」のままという事例もあります。この場合、納税者はいつまでも納税が完了せずに困りますが、国側としても、物納という形で納税された財産を速やかに収納して、売却することができないため、国庫金に納められないという事態が10年以上続いていることになります。

(2)物納の許可基準が不明確で、許可を得るための対応が分かりにくい。

同じような条件・状況の不動産を物納申請しても、所轄や担当者によって違う対応を求められることがあるため、当局側から通知があるまで、どのように対応すべきか決めかねることがありました。

(3)利用価値の低い、あるいは不要な不動産から物納申請する事例が多い。

納税者としては、なるべく優良な資産を残すため、あえて利用価値の低い不動産や自分にとって不要な不動産を物納申請することが多くありました。このため、許可をとるための条件整備が大変で長期化することにつながったり、許可・収納後に国がその不動産を売却したくとも思うように売れないという事例が数多く見受けられました。

このような問題点を改善して、物納に対する信頼性の確保や手続の円滑化・明確化を図るとの観点から、物納の申請から許可・却下までの期限の定めや、物納不適格財産を法令上明記するなどの内容が盛り込まれた改正が行われました。

一見、物納制度を使いやすくする改正のように見えるかもしれませんが、その根幹となっているのは「相続税を、できる限り原則通りの金銭一括納付で納税してもらおう」という姿勢です。

そのために、延納や物納を認める場合の「金銭納付を困難とする事由」の判定方法を法定化して規定しました。また、これまで長期化することが多かったのは、物納に関する各種の規定の中に「期限の定め」がなかったためということで、今回の改正では、納税者側にも当局側にも、明確な期限が定められたため、従来のような時間をかけてじっくりと対応するということはできなくなりました。

定められた期限内に所定の手続をとれなければ物納申請を却下されてしまうからです。この点が、今回の改正における大きなポイントの一つです。

第1回 「とりあえず申請…」には 要注意 (2007年4月25日)