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改正物納制度 ココに注目!

株式会社 国土工営 代表取締役 澁谷一夫 掲載日:2007年7月4日
「物納劣後財産」への過大な期待は禁物
株式会社 国土工営 代表取締役 澁谷一夫

今回の改正では、「物納不適格財産」と「物納劣後財産」が法令により定められ、その範囲が明確化されました。

これまでは、物納不適格財産については相続税基本通達に「管理又は処分するのに不適当な財産」として例示されていましたが、一般の納税者の方にとっては内容がわかりにくいため、自分が所有する不動産が物納できるかどうかを判定するのは難しいことでした。

新制度では、物納に充てることができない財産として、管理または処分するのに適さない「管理処分不適格財産」と、他に物納適格財産がない場合に限り物納できる「物納劣後財産」を法令に規定することで、より明らかにしています。その判定基準を示した資料が、国税庁のホームページで公開されています。

この資料には「管理処分不適格財産(物納に充てることができない財産の一覧表)」として、「担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産」「権利の帰属について争いのある不動産」「境界が明らかでない土地」をはじめとする各種の不動産が掲示され、その具体的な例も記載されています。

さらに、物納申請に伴って提出すべき書類についても、その内容に関する詳しい説明やチェックリストとともにホームページに公開されました。税務当局としては、このように判定基準やチェックリストを公開しているので、物納不適格に該当するかどうかの判断を納税者が自分自身で行い、自己責任で物納申請していただきたい、という姿勢のようです。

したがって、これらの資料にもとづき、まずご自分の所有不動産がそれらの不適格財産に該当しないかどうかのチェックを早期に行うことが必要となります。ただし、このチェック段階で物納不適格財産に該当しないとしても、ただちに無条件で物納OKとなるわけではない、ということには十分留意してください。

一方、新設された「物納劣後財産」という制度は、「他に適当な物納適格財産がない場合に限り、物納を認める財産」というものです。

この制度について、改正内容が公表された直後には「従来は物納を認められなかった市街化調整区域の土地や接道義務を充たしていない土地が物納可能になった」として、物納の基準が緩和されたと書かれた新聞報道がありました。

しかし、物納申請した財産が物納劣後財産であった場合に、その物納申請者が他に物納に適する財産を所有していると物納申請は却下されます。したがって、物納劣後財産という制度は「他に適格財産がなければ」という条件付で物納を許可する場合もあるという例外的な取り扱いであり、相当な理由がなければ物納は難しいと考えておくべきでしょう。

今後の相続対策では、このように明確化された物納不適格財産や物納劣後財産の内容をしっかり把握して、遺産分割や納税対策を立案することが重要となります。

第3回 格段に厳しくなった物納要件 (2007年6月18日)
第2回 「判定基準」が明確になった分「手続き期限」もタイトに (2007年5月15日)
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