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改正物納制度 ココに注目!

株式会社 国土工営 代表取締役 澁谷一夫 掲載日:2008年1月28日
生前対策は相続財産の価値を高める
株式会社 国土工営 代表取締役 澁谷一夫

10回にわたって物納制度の改正につき連載してまいりました。これまでご説明したとおり、今回の改正においては、物納適格財産の明確化や手続の法定化という大きな制度改正の中で、実務対応としては非常に厳しく、物納が難しくなっているのが現実です。

相続発生から申告・納税まで10カ月しかありません。その限られた期間の中で、相続人の確定や相続財産の把握、遺産分割協議、財産評価、税額の計算、そして納税資金の準備など、膨大な作業を行わなくてはなりません。計算の結果、大きな相続税が課せられると判明すれば、その納税資金の手当ても大変な負担となります。

従来であれば、「とりあえず物納」というかたちで申告期限をクリアすることも出来ましたが、新制度では書類提出や測量、現地の整備などがすべて明確に期限を区切られているため、安易に「とりあえず物納」申請すると却下のリスクに直面します。

また、利用価値の低い財産を物納する「だめもと物納」も、不適格財産と判断されれば即却下となり、旧制度のような「変更要求」がありませんので、やはり大きなリスクを背負うことになります。

それでは、改正後は物納制度は使えなくなってしまったのでしょうか。

決してそうではありません。物納は厳しくなったとはいえ、納税方法としては有効な方法の一つなのです。

では、これからの納税対策に物納を活用するにはどうすべきなのでしょうか。ひと言でいうならば「生前対策の重要性が一段と高まった」ということです。保有資産の管理という観点でいうならば、生前対策において適切な測量を行い、隣接者との間で必要な書類があれば早期に取り交わしておくこと、また現地に越境物や埋設物があれば整備しておくこと……これらの整備をしっかりと行っておけば、その財産は物納申請したときに短期間で収納許可が取れる安全性の高い財産となるのです。

さらにいえば、こうした生前対策は、たんに物納を含めた納税資金の準備をする対策というだけでなく、保有する財産の価値を高め、適正な管理を行うために有益なことで、優良な資産を承継するためには欠かせない対策といえましょう。

このように、今回の物納制度の改正は、資産家の方々にご自身の相続対策・資産管理対策についての大きな変革を迫るものとなっているのです。

ぜひ、新物納制度の概要を正しく理解して、これからの資産管理のあり方を見直していただくことをお奨めいたします。

第9回 利子税導入でますます重要になる生前対策 (2007年12月28日)
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