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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2015年11月30日
養子縁組前に生まれていた孫の相続における取扱い
  税理士 深代勝美

甲:H5生まれ・H10祖父と養子縁組  乙:H9生まれ   丙:H12生まれ
 ○祖父の残した財産
  預貯金のみ・・・1億円

1.相続人の数

(1)平成27年に祖父が亡くなり、相続人間で遺産分割協議をおこなうことになりましたが、私(甲)の父は平成23年に既に他界しております。亡父は平成10年に祖父と養子縁組しており、祖父にはその他に実子が2名おります。
まず、祖父の相続に際し相続人を確定します。 相続人は『長女』、『次女』、養子である『甲』及び亡父の代襲相続人として『丙』の4人となります。「乙」には相続権はありません。

甲はH5年生まれ、乙はH9年生まれで亡父の養子縁組以前に生まれていますので、代襲相続人としての相続権はありません。
しかし、『甲』はH10に被相続人である祖父と養子縁組をしていますので、同日より祖父の嫡出子としての身分を有し、相続権を有することとなります。
養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得します。(民法809条)つまり、養子縁組届が受け付けられた日から養親の嫡出子として取り扱われる(養親と嫡出子としての血族関係が発生する)こととなるため、その日から扶養や相続等の関係が生じることとなります。

2.相続税の計算

(1)下記の通り、計算をします

10,000万円−5,400万円(※1)=4,600万円
  (※1)基礎控除額 3,000万円+600万円×4人(※2)=5,400万円
  (※2)養子の代襲相続人は実子とみなされ、法定相続人の数の算出において養子の数の制限は受けません。

4,600万円×1/4=1,150万円
  (1,150万円×15%−50万円)×4人=490万円
  ∴490万円を相続人である『長女』、『次女』、『甲』及び『丙』の4人で負担することになります。

(2)相続税の計算における養子の取り扱い

@ 相続税額の2割加算
 『甲』は、祖父の養子となっていますが、亡父の養子縁組前の子であるため代襲相続人としての相続権はないので、祖父の孫養子には該当しません。養子である『甲』は祖父との養子縁組により祖父の法定血族(子供)としての相続権を有することとなります。つまり、孫養子としての相続権はありませんので、加算の対象とはなりません。
 一方、『丙』は亡父の養子縁組後の子であるため、被相続人である祖父の孫にあたりますが、祖父の養子ではなく、養子であった亡父の代襲相続人であるため、孫養子には該当せず、2割加算は適用されないこととなります。
 財産を取得した者が、被相続人の一親等の血族(一親等の血族である子が被相続人の死亡以前に死亡しているため、その子に代わって相続人(代襲相続人)となった孫等を含む)及び配偶者のいずれでもない場合には、その者の相続税額にその相続税額の100分の20に相当する金額を加算しなければなりません。(相法18@)
 この場合において、孫が被相続人である祖父と養子縁組をして相続人となっている場合には加算の対象とされますが、代襲相続人として相続人となっている孫等については一親等の血族に含まれるため、2割加算は適用されないこととなります。

A 養子の数
 相続税の基礎控除等を計算する場合に使用する『法定相続人の数』に算入する養子の数は以下のとおり制限されています。
『a. 被相続人に実子がなく、養子が2人以上の場合・・・2人
b. 養子の数が1人または、被相続人に実子があり養子が2人以上の場合・・・1人』
亡父は養子でしたので、仮に父が存命であれば、養子は『父』と『甲』の2名となっていたわけなので、法定相続人の数として算入できる養子の数は2人でなく1人となりました。
実際には養子であった父は既に亡くなっているため、養子であった亡父の代襲相続人である『丙』についてですが、この場合、『丙』は養子ではないので、養子の数は『甲』1人となりますので、人数制限の問題は生じません。

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