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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2016年2月29日
「財産債務調書」提出制度がスタート
  税理士 深代勝美

2016年度税制改正により、所得税の確定申告書に添付していた「財産及び債務の明細書」が見直され、「財産債務調書」という書類の提出制度になりました。

1.財産債務調書の提出義務者

以下の1と2の両方を満たす方は、財産債務調書を提出。

  1. その年分の所得金額が2千万円を超え、かつ
  2. その年12月31日時点で3億円以上の財産、または1億円以上の有価証券等を保有している

2.財産債務調書の記載事項

財産債務調書には、その年12月31日時点で保有する全ての財産債務について種類、数量、価額、所在などを記載する必要があります。

  1. 土地の記載事項の例
    (区分)土地、(用途)事業用、(所在)東京都千代田区○○1−1−1、(数量)250u、(金額)250,000,000円
  2. 預貯金の記載事項の例
    (区分)預貯金、(種類)普通預金、(所在)○○銀行△△支店、(金額)50,000,000円

3.財産債務調書に記載する財産の価額

財産債務調書に記載する財産の価額は、12月31日における時価または見積価額となっています。具体的には、以下の価額となります。

  1. 土地……固定資産税評価額で記載することができます。なお、相続税路線価による評価額、鑑定評価額でも構いません。
  2. 建物……固定資産税評価額で記載することができます。なお、鑑定評価額でも構いません。
  3. 預貯金……定期預金は預入れしたときの元本の金額で構いません。
  4. 上場株式等……証券会社から届く「取引残高報告書」に記載されている金額。
  5. 非上場株式……直近の「法人税申告書」に記載されている純資産価額。純資産価額は帳簿価額によるもの。
  6. 生命保険契約……解約返戻金の金額。保険会社から届く「契約状況のお知らせ」などに記載されています。

4.財産債務調書の提出期限

財産債務調書は、その年の翌年3月15日までに、所得税の納税地の所轄税務署に提出しなければなりません。

5.提出期限までに死亡した場合

  1. 年の中途で死亡した場合には、その年の財産債務調書を提出する必要はありません。
  2. 1月1日から3月15日までに死亡した場合は、死亡した年の前年分の財産債務調書を提出する必要はありません。

6.相続により財産を取得する場合

  1. 12月31日までに遺産分割が決まっていれば、分割により取得する価額で提出義務を判断します。
  2. 12月31日までに遺産分割が決まっていない場合は、法定相続分であん分した価額で提出義務を判断します。
  3. 2で財産債務調書の提出後に遺産分割が行われた場合に、遺産分割による持分で再計算した財産債務調書を提出する必要はありません。

7.加算税の軽減措置

  1. 所得税の申告漏れ、または相続税の申告漏れがあった場合には、修正申告により追加で納付する本税の他に、過少申告加算税を納税しなくてはなりません。過少申告加算税は、追加で納付する本税の10%相当額です。ただし、追加で納付する本税が50万円を超えている場合には、その超えている部分については15%相当額となります。
  2. 財産債務調書を提出期限内に提出しておけば、税務調査で財産債務調書に記載がある財産債務に関する所得税の申告漏れ、または相続税の申告漏れを指摘されても、過少申告加算税10%が5%に軽減されます。追加で納付する本税が50万円を超えている場合には、その超えている部分については15%が10%に軽減されます。
  3. 財産債務調書の提出義務があるにもかかわらず、提出期限内に提出できなかった場合には、期限後であっても速やかに財産債務調書を提出します。税務調査等がないうちに提出できた場合は、期限内の提出として軽減措置を受けることができます。
  4. 財産債務調書の提出後、その記載内容に記載ミス、記載漏れに気づいた場合には、内容を修正して再提出します。再提出が期限後であっても、修正箇所について上記3と同様に軽減措置を受けることができます。

8.加算税の加重措置

  1. 加重措置は、所得税に関する過少申告加算税について適用されます。軽減措置と違い、相続税に関する過少申告加算税については適用されません。
  2. 財産債務調書を提出しなかった、又は財産債務の記載が一部漏れており、その記載漏れがあった場合に、財産債務調書に関する所得税の申告漏れがあったときは、過少申告加算税10%が15%に加重されます。追加で納付する本税が50万円を超えている場合には、その超えている部分については15%が20%に加重されます。
  3. 所得税を申告すべき人が亡くなった場合には、相続人が亡くなった人に代わって申告することになります(準確定申告)。その際の申告には、財産債務調書の提出義務がありません。よって、準確定申告における申告漏れがあった場合の過少申告加算税には、加重措置の適用はありません。
  4. 加重措置の適用を判断する財産債務調書は、原則として修正申告を行う年分と同じ年分の財産債務調書です。
    しかし、年の中途で財産を売却した場合は、その年12月31日時点で保有していないことから、その年の財産債務調書には売却した財産を記載できません。よって、売却財産に係る所得の申告漏れがあった場合には、売却の前年分の財産債務調書により加重措置の適用を判断することになっています。
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