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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2008年08月31日
農地等を相続した時の納税猶予
〜三大都市圏の農地等について〜
税理士 深代勝美

農業を営んでいた被相続人から、相続により、その農業の用に供されていた農地、採草放牧地等を取得した相続人が今後とも農業を営んでいく場合、その農業の用に供される農地等に対する相続税のうち、農業にしか使用する事が出来ないとした場合に成立する価格(農業投資価格)を超える部分に対する相続税額を猶予するという特例が租税特別措置法に定められています。

この制度を受けますと、納税が猶予されます。また猶予された相続税は一生涯、農業を続ければ、納税猶予額は免除されます。

1.適用要件は次の通りです

(1)納税猶予の対象となる農地

A) 市街化区域内の生産緑地
B) 市街化調整区域内の農地
であり、継続して耕作をしなければなりません。

では、耕作を継続しているが、次の土地が対象地として認められるか。

@ 借りている農地 ・・・ 認められる
A 貸している農地 ・・・ 認められない
B 家庭菜園や一時耕作している土地 ・・・ 認められない

(2)適用される人はどんな人か。

@ 被相続人 ・・・ 死亡の日まで農業を営んでいた人
A 農業相続人 ・・・ 申告期限までに、農業経営を開始する相続人で、農業委員会に申請して農業相続人として認められた人

(3)申告要件として注意すべき事は

申告期限に下記の書類を提出しなければなりません。従って、納税猶予する土地が確定したら、農業委員会と充分打合せが必要です。

@ 相続税の納税猶予に関する適格者証明書・・・農業委員会に申請
A 特例適用農地等の明細書・・・農業委員会に申請
B 納税猶予の特例適用の農地等該当証明書・・・市役所に申請
C 担保提供書
D 抵当権設定登記申請書

(4)納税猶予期限はいつまでですか?

@ 市街化区域内の生産緑地の場合 ・・・ 農業相続人が死亡するまで
A 全ての農地が農振地区や調整地区の場合 ・・・ 申告期限から20年を経過した時か死亡した時のどちらか早い方
B 生産緑地と調整区域農地の両方を有する場合 ・・・ 農業相続人が死亡するまで

2. 実例で相続税額の対比をします。

(1)条件

■ 納税地 千葉県
■ 相続人数 3人(うち農業相続人1人)
■ 純資産価額 240,050,000
■ 納税猶予対象地
  地積 1,544u
  通常評価額 63,108,725

■農業投資価格 1,204,320・・・・・・・・・・(注1)

(注1)
農業投資価格の金額表
租税特別措置法第70条の6第5項に規定する農地等についての相続税の納税猶予額の算定の基礎となる農業投資価格は、次表のとおりです。

地目
都道府県
採草放牧地
東京都 900千円 840千円 510千円
千葉県 830千円 780千円 490千円
埼玉県 900千円 790千円
神奈川県 870千円 840千円 510千円

1,544/1,000×780,000=1,204,320

(2)相続税額の計算

{(240,050,000−80,000,000)×1/3×0.3−7,000,000}×3=27,015,000・・・A
農業投資価格による相続税額
240,050,000−63,108,725+1,204,320=178,145,000
{(178,145,000−80,000,000)×1/3×0.2−2,000,000}×3=13,629,000・・・B

(3)相続税を納税猶予される金額

A−B=27,015,000−13,629,000=13,386,000

(4)結論

このケースの場合、相続税額 27,015,000のうち、13,386,000が猶予され、申告時に納付する税額は13,629,000となります。

3.相続税法が改正に!

<相続税の計算方法が変更に>
法定相続分課税方式(現行)  →  遺産取得課税方式(改正案)

現行の計算方式ですと、納税猶予を適用した場合、相続人全員に猶予による税額軽減となりますが、改正案の場合、農業相続人だけが猶予による軽減があり、他の相続人は通常計算することにより、旧前より相続税が高くなる可能性がありますので、相続税の税制改正には充分な注意を払ってください。

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