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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2008年11月28日
新課税方式でマンション建築による
相続税対策はどうかわるか
税理士 深代勝美

相続税の課税方式を現行の法定相続分課税方式から遺産取得課税方式に改めることが検討されていますので、賃貸アパートや賃貸マンションの建築による相続税対策について、遺産取得課税方式では(1)相続税評価額の引下げ、(2)相続税の節税効果がどうなるのか検証してみましょう。

(1)相続税評価額の引下げ

今回の改正では評価方法に変更はありませんので、相続税評価額が引き下がることは変わりません。
たとえば、土地評価1億円の更地に1億円の賃貸マンションを1億円の借入金で建築すると、時価評価1億円が相続税評価1,700万円となり8,300万円も評価を下げることができます。

財産 時価 相続税評価
賃貸マンション 1億円 1億円×概算評価50%
×(1−30%)=
3,500万円
借入金 ▲1億円   ▲1億円
土地 1億円 1億円×(1−30%×60%)= 8,200万円
不動産合計 1億円   1,700万円
(注1) 建物の相続税評価額は固定資産税評価額が基準となります。ここでは、固定資産税評価額を建築費の50%としました。さらに、賃貸マンションは借家権割合30%を控除できます。なお、賃貸割合は100%としています。
(注2) 賃貸マンションの敷地は貸家建付地評価として、借家権割合(30%)×借地権割合(60%…割合は建築する場所によって違います)を控除できます。なお、賃貸割合は100%としています。

(2)相続税の節税効果


@相続人 長男・次男
A遺産の内容 宅地8,200万円、賃貸マンション3,500万円、借入金1億円、その他財産5,000万円
B遺産分割 長男が宅地及び賃貸マンションとその借入金(8,200万円+3,500万円−1億円=1,700万円)が、その他財産は次男が相続する。

基礎控除は3,500万円とし、現行制度の税率で計算しています。
  法定相続分課税方式
(現行制度)
遺産取得課税方式
(改正案)
長男 次男 長男 次男
@遺産総額 6,700万円 6,700万円
A各人の取得金額 1,700万円 5,000万円 1,700万円 5,000万円
B基礎控除額 △7,000万円 △3,500万円 △3,500万円
課税遺産額(A−B) 0 円 0 円 1,500万円
相続税額 0 円 0 円 0 円 175万円

法定相続分課税方式では、賃貸マンション等を取得した長男だけではなく、次男にも節税効果がありました。しかし、遺産取得者課税方式では取得者ごとに税金を計算するので、次男への節税効果がなくなってしまいます。

よって、今後の賃貸マンションの建築による相続税の節税対策は、対策をした長男の税金負担だけでなく、弟の税金負担も考えた納税資金を具体的に計算して、相続人全員の理解を得つつ遺産分割を進めていくことになるでしょう。

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