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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2009年4月30日
生命保険はどのように課税されるか
  税理士 深代勝美

1.生命保険にはどのような税金がかかるか

生命保険金は、原則として、受け取る段階で課税されますが、契約の形態によって、課税の方法が変わります。つまり、生命保険金は、生命保険の契約における、契約者、被保険者、保険金受取人の関係によって、相続税、贈与税、所得税のいずれかの対象になります。

  契約者 被保険者 保険金受取人 課税関係
ケース2 相続税
ケース3 贈与税
ケース4 一時所得

2.契約者=父、被保険者=父、保険金受取人=子、の場合

この契約は、父親が自分に保険を掛け、受取人は子供、契約者は父親という一般的なパターンです。この場合、父親の死亡時に生命保険金が支払われ、父親の相続財産として、相続税が課税されます。ただし、生命保険金には、相続税上の非課税枠があるので、相続人1人につき500万円までは課税されません。

例えば、相続人が、母と子の2人である場合で、生命保険金の金額が
1,000万円の場合、非課税枠は500万円×2人=1,000万円なので課税はされません。
1,200万円の場合には、非課税枠1,000万円との差額200万円が課税されます。

なお、ここでいう相続財産とは、あくまで税務上のみなし相続財産であり、民法上は相続財産ではないため、遺留分の計算や分割協議の対象などにはなりません。

3.契約者=母、被保険者=父、保険金受取人=子、の場合

この契約は、父親が被保険者となり、母親が保険料を負担し、父の死亡時には子供が保険金を受け取るパターンです。子供は、父親の死亡時に保険金を受け取りますが、実際に保険料を負担していたのは母親なので、母親から子供への贈与として、贈与税が課税されます。
贈与税の基礎控除は110万円ですが、税率は保険金額により、累進的に変化します。

例えば、生命保険金が
200万円の場合
  (200万円−110万円)×10%=9万円の贈与税
1,000万円の場合
(1,000万円−110万円)×40%−125万円=231万円の贈与税となります。

4.契約者=子、被保険者=父、保険金受取人=子、の場合

父親を被保険者として、子供が保険料を負担し、その死亡時には子供が保険金を受け取るパターンです。この場合、父親の死亡時に受け取る生命保険金は一時所得として所得税、住民税の課税対象になります。

一時所得は(生命保険金の金額−支払保険料−50万円)×1/2で計算され、これが給与所得など他の所得と合算され、所得税、住民税が課税されます。

例えば、生命保険金が1,000万円、支払保険料が500万円、
他の所得で給与所得が500万円のみ、所得控除が基礎控除の38万円のみの場合
まず、一時所得は
(1,000万円−500万円−50万円)×1/2=225万円 となります。
次に、課税総所得金額は
225万円+500万円−38万円=687万円となり
それに基づき所得税は
687万円×20%−42万7500円=94万6500円となります。
給与所得500万円の場合の所得税は
(500万円−38万円)×20%−42万7500円=49万6500円であるので
94万6500円−49万6500円=45万円が一時所得に加算されることでの増額分となります。

5.保険契約者と保険の負担者が違う場合

上記ケースの2,3,4は、契約者=保険料負担者を前提としてきましたが、実際には、契約者が子供であるが、保険料の負担は父親がしていたということがあると思います。この場合、税務上は実際の保険料負担者を契約者と見なして、課税関係が決まります。

例えば、契約者が子、被保険者が父で、受取人が子の場合には、課税関係は一時所得になると考えられますが、実際の保険料の負担をしていたのが父親なのであれば、課税関係上は、実質的には契約者が父親とみなされます。したがって、この場合の課税関係は一時所得とはならず、相続税の課税対象となります。

6.相続対策としての保険

相続対策として、保険契約をされる場合が多いかと思いますが、保険契約の形態で多いのは、やはり2のケースです。3のケースもありますが、需要としては、2ほど多くはないようです。
また、最近出てきた保険として、ある一定期間を過ぎると、急激に返戻率が上がる保険で低解約返戻金型保険というものがあります。
例えば、4年目までは返戻率が10%で、5年目になると95%に急激に上がるといった保険です。この場合、4年目まで親が保険料を負担して、子に贈与すれば、解約返戻金で評価され、返戻率が低い段階では評価額が小さいため、少ない贈与税で子に贈与でき、贈与後に返戻率が上がるため、結果的には多額の金額を子供に贈与することができたことになります。

例えば、生命保険金の掛け金が1,000万円で、返戻率が10%の場合
(1,000万円×10%−110万円)=−10万円となるため、贈与税は無税で贈与できます。

7.課税関係のまとめ

最後に確認ですが、上記各ケースを表にまとめると、以下のようになります。

  契約者 被保険者 保険金受取人 課税関係
ケース2 相続税
ケース3 贈与税
ケース4 一時所得
第24回 遺留分ってどんな制度 (2009年3月31日)
第23回 生前贈与する場合、いくら贈与するのが有利か (2009年2月28日)
第22回 銀行の取引停止〜本人名義の預金が凍結される〜 (2009年1月30日)
第21回 非上場株式等に係る相続税の納税猶予 (2008年12月30日)
第20回 新課税方式で相続税対策はどうかわるか (2008年11月28日)
第19回 遺言と異なる遺産分割の可能性 (2008年10月31日)
第18回 債務(借入金)の相続とは? (2008年9月30日)
第17回 農地等を相続した時の納税猶予 (2008年8月31日)
第16回 建物の利用状況で、土地の相続税評価額が変わる。 (2008年7月28日)
第15回 相続税は親子別居していると高くなる? (2008年6月30日)
第14回 遺言の必要性 (2008年5月30日)
第13回 相続税の調査のポイント (2008年4月28日)
第12回 相続税の課税方式が変更になる? (2008年3月28日)
第11回 広大地評価が利用できると、相続税が安くなる (2008年2月27日)
第10回 親族間の借金と贈与税 (2008年1月29日)
第9回 遺言書の種類と方法 (2007年12月28日)
第8回 物納・延納の改正 (2007年11月30日)
第7回 相続時精算課税制度を利用した贈与方法 (2007年10月30日)
第6回 賢い相続税対策の取り組み方 (2007年9月30日)
第5回 税務署からの「お尋ね」についての対応 (2007年8月23日)
第4回 相続した土地を売却した場合、譲渡税はどうなるか? (2007年7月31日)
第3回 申告期限までに、遺産分割がまとまらなかったら? (2007年6月26日)
第2回 申告後に、土地評価で疑問を感じたら? (2007年5月25日)
第1回 夫婦間の贈与は税金が安い (2007年4月27日)