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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2009年9月30日
遺留分の減殺請求を
どのように解決したら良いか
  税理士 深代勝美

「全財産を特定の相続人(長男A)に全て相続させる」という遺言書でも遺言としては有効です。しかし、他の相続人(次男B)には遺留分(原則として法定相続分の2分の1)がありますから、このような遺言を作成すると長男Aは次男Bから遺留分の減殺請求を受けることになります。長男Aはどうしたらよいのでしょうか。

1.遺留分相当額を共有で相続すると
〜共有での相続は避けるべきだが〜

不動産を遺留分請求の相当分だけ共有で次男Bに相続させる方法があります。
しかし、長男Aは自分の持分を売却して現金を得ようとする場合、次男Bの同意が必要になります。所有者が長男Aだけであれば、売買契約書に自署押印し、実印の委任状、印鑑証明書、権利書を買主に渡せば売却は終了です。しかし、共有の場合には、他の共有者(次男B)の実印の同意書と印鑑証明も必要になります。
また、当事者である長男A、次男Bが亡くなり世代が変わると、その土地は長男A、次男Bの子供たちが相続することで更に複雑になります。
土地は共有で相続するべきではないのです。

2.遺留分としての財産を具体的に指定してきた場合は

次男Bから「あの土地は駅に近くて便利だから遺留分として欲しい」との要望が寄せられた場合はどうすべきでしょうか。要望の土地を渡しても問題ないのであれば、その要望にそってあげることで問題は解決できます。

もっとも、長男Aは優先的に全ての財産を相続することができます。次男Bは遺留分に相当する財産を長男Aに請求できますが、必ずしも次男Bが要望する財産で遺留分を減殺する必要はありません。次男Bの要望に応えられないのであれば、他の財産に変えてもらうか、金銭で支払えばよいのです。
遺留分減殺請求を受けた長男Aは、原則として目的となる財産を次男Bに返還する義務を生じます。ただし、その請求額を金銭によって弁償すれば目的財産の返還は免れます。遺言で相続した土地について次男Bから遺留分減殺請求をされても、それに見合う金銭を支払えばその土地を渡さなくて済むのです。

3.どのように解決すればいいのか

遺留分を請求された場合において、財産のほとんどが不動産であるときは、不動産を@絶対に残したい不動産、A有効活用したい不動産、B売却してもよい不動産、に整理しましょう。
次男Bとの協議は、今後の生活設計を考えながら進めていきます。方針が決まれば、遺留分請求額相当に達するまで、優先順位にしたがって不動産を次男Bに渡すか、不動産を第三者に売却して売却代金を次男Bに渡すことで解決できます。

4.相続財産が自宅の土地建物だけの場合は

財産が少なくとも、遺留分の減殺請求によるトラブルは発生します。遺留分は相続人が自己の権利として主張できるので、相続財産が自宅だけの場合でも行使可能です。
自宅を売却して遺留分相当額の金銭を渡せば次男Bは満足するはずです。しかし、長男Aとしては自宅の売却を承知しかねる場合(親と同居して家業を引継ぎ、親の介護もしていたような場合)もあるでしょう。
そのよう場合、長男Aは借金などで資金を調達し、次男Bに遺留分相当額の金銭を支払わらざるを得ません。もちろん、自宅の土地の一部を売却しての資金調達も検討が必要でしょう。
やはり、遺言書を残すのであれば、長男Aに自宅の土地建物を残すだけでなく、次男Bに現金預金や生命保険など遺留分相当を残せるように生前に対策をして、バランスのとれた遺言にしておくことが大切です。

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