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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2010年5月24日
賃貸マンション新築中に
相続が発生した場合の評価
  税理士 深代勝美

賃貸マンションなどの新築中に相続が発生した場合、その敷地と建築中の建物の評価はどうなるのでしょうか。

1.新築中の敷地の評価

通常、貸家の敷地は貸家建付地〔自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合)〕として自用地より低く評価されます。しかし、初めて賃貸マンションを建築する場合には、完成後は貸家として利用されることが確実であっても、死亡時においては「貸家の目的に供されている」ものではないため、貸家建付地評価は適用できません。自用地評価となります。

ただし、貸家として利用していた建物を建替える場合には、かなり厳しい条件となっていますが、以下の要件を満たせば貸家建付地評価を受けることができます。

@  旧家屋の借家人が引き続いて新家屋に入居する契約となっており、
A  立退料等の支払いがなく、
B  家屋の建替え中は、一時的な仮住まいを保証していること。

2.新築中の建物の評価

「投下した建築費用」の70%で評価します。ここでいう「投下した建築費用」とは、被相続人が建築業者に支払った金額ではなく、建築業者が建物の建築のために下請業者等に支払って費消した金額です。
具体的には、建築業者に相続開始時に工事を止めたとしたらいくらの建築費用になるかを見積もってもらいます。

3.新築中の相続は節税にならないのか

所有財産が更地(自用地評価額1億円)のみである場合を前提に、以下のケースで確認してみます。

(1)賃貸マンションを建築しないで、更地のまま相続する場合

相続税評価額は土地そのままの1億円となります。

(2)建築中に相続する場合

賃貸マンションを建てるため建築業者と建築価格1億円の契約を結び、建築が80%進行したところで死亡し、建築業者への建築代金は全額未払いの場合。

@土地の評価額
初めての賃貸マンションの建築のため自用地ですから、評価額は1億円です。

A建物の評価額
イ・投下した建築費用…建築価格1億円×工事進行割合80%=8,000万円
ロ・評価額…投下した建築費用8,000万円×評価割合70%=5,600万円
以上の計算により、建物の工事進行割合が80%進んでいるので、評価額は5,600万円です。

B建築業者へ支払うべき金額
未払金1億円×工事進行割合80%… 8,000万円

相続税評価額は@1億円+A5,600万円−B8,000万円=7,600万円となります。

よって、建築中であっても2,400万円(1億円−7,600万円)相当の財産が圧縮されますので、節税効果は生じることとなります。

(3)完成後に相続する場合…参考として

建物が完成(借地権割合60%、固定資産税評価額を建築価額の5,000万円と仮定)して賃貸開始したところで死亡し、建築業者への建築代金1億円は全額銀行借入れの場合。

@土地
貸家建付地…1億円×(1−借地権割合60%×借家権割合30%) =8,200万円
A建物
貸家…固定資産税評価額5,000万円×(1−借家権割合30%) =3,500万円
B銀行借入金 =1億

相続税評価額は@8,200万円+A3,500万円−B1億円=1,700万円となります。

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