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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2011年4月28日
相続時精算課税制度の活用方法
  税理士 深代勝美

1.相続時精算課税制度の特徴

相続税を節税するために生前贈与を行うことは有効ですが、一般贈与(暦年贈与)の非課税枠は年間110万円で、それを超えた分については、10〜55%(改正案)の贈与税が課税されます。
一方で、相続時精算課税制度を適用すれば、非課税枠が大きく、2,500万円までは非課税で、それを超えた分についても、適用される税率は一律20%です。 また、一般贈与と同様に、住宅購入資金贈与との併用も可能で、2011年については、1,000万円を加算した、3,500万円までが非課税となります。

2.相続時精算課税制度の注意点

相続時精算課税制度を採用した場合、親の相続発生時に、すでに、贈与を受けた財産を相続財産に足して計算し、相続税を納税することになります。つまり、贈与しても贈与しなくとも、相続財産は同じです。一般贈与のように、贈与により相続財産が減額されるわけではないため節税効果はないことになります。

また、相続時精算課税制度を一度採用すると、同一の者からの一般の贈与は利用できなくなります。例えば、父から2010年に2,500万円の贈与を受け、非課税枠を使った後に、父から2011年に1,000万円の贈与を受けた場合には、1,000万円×20%=200万円の贈与税が課税されます。その後も贈与の都度20%の贈与税が課税されます。しかし、相続時に、相続税を超える贈与税があった場合には、超える部分の贈与税は還付されます。

3.適用対象者の改正案

相続時精算課税制度の利用対象者が拡大され、贈与者の年齢が65歳以上から60歳以上に緩和され、また、贈与を受ける者も20歳以上の子だけから、20歳以上の孫へ拡大されます。つまり、65歳以上の親から子だけから、60歳以上の親及び祖父母から20歳以上の子と孫まで拡大されます。

4.収益物件の贈与による相続時精算課税制度の活用

収益物件の贈与をした場合、賃貸物件の贈与税評価額は相続時に加算されますが、贈与時点から相続発生までの賃貸住宅から得られた収益金は相続財産ではないため、相続財産には加算されませんから、その分は相続財産が減額されたことになります。
例えば、固定資産税評価額が3,500万円で、毎年の手残りキャッシュフローが200万円の物件を贈与した場合、賃貸物件の相続税評価額は貸家のため、3,500万円の70%で2,450万円となり、2,500万円の範囲内であるため、贈与税は発生しません。

その一方で、仮に贈与時点から10年後に相続発生があったとすると、200万円の10年間分のキャッシュフロー2,000万円の相続財産については相続財産には加算されませんから、その分は相続税が節税されたことになります。
また、親の方が所得税の税率が高い場合、毎年の所得が子に移転することにより、親の所得税の節税も図れることになります。
注意すべき点は、借入金や敷金の負担を親から子に変更すると負担付贈与になり相続税評価額でなく時価での贈与と取り扱われ、節税にならないことになりますから、気を付けてください。つまり、@贈与する物件は現金で建築することA敷金の返金の負担者を贈与者である親にすることが必要です。

相続時課税制度との比較

  一般贈与(110万円の贈与) 相続時精算課税(改正案)
税金 (金額−110万円)×累進税率=税額 (金額−2,500万円)×20%=税額
贈与者の条件 不問(誰にでも贈与できる) 60歳以上の父母・および祖父母
受贈者の条件 相続権がある子供以外の孫や息子の嫁もOK(誰にでも受贈できる) 20歳以上の子及び孫(養子でもよい)
相続税との関係 相続額から切放し(相続開始前3年以内は加算) 相続時に合算される。贈与時の価額で評価
納付 単年度課税(贈与時に完了) 贈与時に納付し相続時に精算
相続税の節税効果 節税効果あり。
贈与税の基礎控除年間110万円は、贈与税がかからない。
節税効果なし。
2,500万円の非課税枠はあるが、贈与者の相続時に、相続税の計算に合算されて相続税がかかる。
大型贈与 多年にわたり、多人数であれば可能。 住宅購入など大型贈与がしやすい。
その他 一般贈与をしてから相続精算課税制度は選択できる。 生前に財産を子に渡せる。贈与者が計画的に対策を打て、紛争防止に役立つ。
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