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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2011年7月29日
サービス付き高齢者住宅供給促進税制について
  税理士 深代勝美

1.サービス付き高齢者住宅供給促進税制とは

2011年4月「高齢者の居住の安定確保に関する法律(通称「高齢者住まい法」以下同じ)」が大幅に改正され、11月頃には施行される見込みです。
この法律は、高齢化が急速に進み、高齢者の単身者や夫婦のみの世帯が増加していく中で、高齢者が安心して自立して暮らせる住宅が諸外国と比較しても不足していることから、バリアフリー化された居住空間で医療・介護等のサービスを受けることができる高齢者向け住宅(通称「サービス付き高齢者向け住宅」以下同じ)の整備促進を図る為に改正されました。
「サービス付き高齢者向け住宅」の制度に伴い、「高齢者円滑入居賃貸住宅(通称・高円賃)」、「高齢者専用賃貸住宅(通称・高専賃)」、「高齢者向け優良賃貸住宅(通称・高優賃)」の既存3施設は廃止され、「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化されます。また、有料老人ホームも基準を満たせば登録が可能になります。
サービス付き高齢者住宅供給促進税制とは、その名の通り、この「サービス付き高齢者向け住宅」の建築を税制面から後押しする優遇措置です。

2.サービス付き高齢者向け住宅の登録要件

  1. 住宅に関する基準
    ・1戸当たりの床面積が原則25u以上(共同利用の居間、食堂、台所等が十分な面積を有する場合は18u以上)
    ・原則として、台所、水洗便所、収納設備、浴室の設置
    ・原則として、3点以上のバリアフリー化(手すりの設置、段差の解消、廊下幅の確保)
  2. サービスに関する基準
    ・社会福祉法人、医療法人又は居宅介護支援サービス事業者の職員などの者が常駐するなどにより、少なくとも安否確認・生活相談サービスの提供体制があること。その他食事の提供、清掃・洗濯等の家事援助も高齢者支援サービスに該当します。
  3. 契約に関する基準
    ・賃貸借方式またはこれを準じた契約とし、入居者の長期入院などを理由に事業者からの一方的な解約を禁止した居住の安定が図られた契約であること。
    ・敷金、家賃、サービス対価以外の金銭を徴収しないこと。
    ・前払金を受領する場合の返還ルール及び保全措置を実施し、入居者保護が図られていること。

3.サービス付き高齢者向け住宅促進の為の支援措置

  1. 建設資金の補助
    国土交通省の「高齢者等居住安定化推進事業」に登録すれば、下記の建設費を国が直接補助します。
    ・高齢者住宅
    新築:建築費の10分の1(上限1戸当たり100万円)
    改修:改修費の3分の1(上限1戸当たり100万円)
    ・高齢者生活支援施設
    新築:建築費の10分の1(上限1施設当たり1,000万円)
    改修:改修費の3分の1(上限1戸当たり1,000万円)

    (高齢者住宅新築の補助金例@)
    戸数30戸、1戸当たり建築費900万円の高齢者住宅の新築の場合
    900万円×1/10=90万円(1戸当たり補助金)
    90万円×30戸=2,700万円

    (高齢者住宅新築の補助金例A)
    戸数30戸、1戸当たり建築費1,200万円の高齢者住宅の新築の場合
    1,200万円×1/10=120万円>100万円→100万円(1戸当たり補助金)
    100万円×30戸=3,000万円

  2. 融資に関する支援
    国などからの補助金を受けていることを要件に、住宅金融支援機構の融資要件が緩和されます。

4.サービス付き高齢者住宅供給促進税制

    税制面では、2013年3月31日までの時限措置として、賃貸住宅に限り、下記の優遇措置が取られます。
  1. 所得税・法人税
    ・当初5年間、割増償却率を40%とする(耐用年数35年未満は28%)
    ・床面積要件:1戸当たり25u以上(専有部分のみ)
    ・戸数要件:10戸以上
  2. 固定資産税
    ・当初5年間、税額を3分の1とする。
    ・床面積要件:1戸当たり30u以上(共用部分も含む)
    ・戸数要件:5戸以上
    ・その他要件:国などから建設費補助を受けていること
  3. 不動産取得税(新設)
    ・建物は課税標準から1戸当たり1,200万円控除
    ・土地は家屋の床面積の2倍にあたる土地面積相当分の価額等を減額
    ・床面積要件:1戸当たり30u以上(共用部分も含む)
    ・戸数要件:5戸以上
    ・その他要件:国などから建設費補助を受けていること

<固定資産税・不動産取得税の減税例> 国土交通省の試算より
試算前提条件
・戸数:30戸(1戸当たり床面積30u)
・敷地面積:800u
・1戸当たり建築費:900万円
・土地取得額:1億円

  優遇措置なし 優遇措置あり 減税効果額
固定資産税(年間) 227万円 76万円 151万円
不動産取得税(家屋) 486万円 0万円 486万円
不動産取得税(土地) 90万円 0万円 90万円
初年度合計 803万円 76万円 727万円
5年間合計 1,585万円 344万円 1,241万円

旧税制の高優賃の割増償却との比較

  旧税制(2011年3月31日まで) 新税制
耐用年数 支援施設一体型高優賃
及び認定支援施設
左記以外の高優賃 サービス付
高齢者向け住宅
35年未満 40% 20% 28%
35年以上 55% 28% 40%
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