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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2011年8月31日
被相続人から同族会社への貸付金がある場合の相続対策
  税理士 深代勝美

1.同族会社への貸付金

所得税の節税目的で不動産管理会社を設立している場合や、管理会社でなくても会社に父親がお金を貸しているなどで、被相続人の父親からの貸付金がそのまま残っているケースが多く見られます。父親からの借入金が積もり積もって多額になり、そのまま相続をむかえてしまったとき、この借入金は父親の側から見れば貸付金として相続財産になりますので、これに対して相続税がかかります。
法人税の申告はするが、相続税のことを検討してない場合に実務でよく見かけます。このような、問題が生じさせないために事前に出来ることはないのか考察してみたいと思います。

2.法人税法の青色欠損金が多額にある場合

法人税の計算では各事業年度で発生した欠損金を7年間繰り越すことができます。不動産管理会社等にこの青色欠損金があって、貸付金が返済される見込みもない場合は、父親に債権放棄をお願いしてみましょう。
父親から会社に対して債権放棄通知書を配達記録で郵送してもらいます。父親から債権放棄をしてもらった場合、会社では借入金がなくなった分の債務免除益が発生しますが、7年間利用可能な青色欠損金が債務免除益よりも多額であれば、相殺され法人税は発生しないことになります。

父親の相続税で考えると、貸付金の分の相続財産が減ったことになるので、その分相続税が安くなります。仮に相続税の税率30%として、1000万円の貸付金を債務免除できた場合、300万円の相続税が節税になります。なお、この方法を採用するときの注意点は、当然のこととして生前であることと本人の意思で実行されることが求められます。
結果として、亡くなる直前での債務免除になった場合には本人の意思などを税務署から確認されますので債権放棄通知書は必ず父親に自筆で署名してもらい、父親が高齢や病気などのときには公証役場で確定日付をもらうと良いでしょう。

3.青色欠損金がない場合に検討すべきこと

父親からの借入金を資本金等に振り替える現物出資を検討しましょう。貸借対照表が債務超過等の状況にある場合、借入金のまま相続をむかえるより、株式として相続財産に加算された方が有利になるケースがあります。例えば借入金が500万円あった場合、これを現物出資すると500万円分の株式を取得することになります。このとき、株式を相続財産に足しますが、株式の評価は、500万円として足すわけではありません。株式として相続税法上の評価をして加算することになりますが、500万円より安くなるのが一般的ですから、是非検討してください。
なお、借入金を現物出資する場合、借入金は実際価値を評価して、回収可能性のある金額で資本金を増額させることになります。また、現物出資をして資本金が1000万円を超えると法人住民税の均等割が増えますので注意が必要です。
会社を解散・清算した方がいいケースも考えられます。それらを利用した場合は次回でご説明します。

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