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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2011年10月31日
相続税の取得費加算を有効に使う
  税理士 深代勝美

1.相続税の取得費加算とは

相続税は高額になることが多く、相続した土地を売却して納税をしなければならない場合が少なくありません。しかしながら、土地を譲渡した場合、相続した土地はたいてい購入時の取得価額が分からないため、取得費は譲渡価額の5%を適用することになり、相続税にさらに譲渡所得税が発生することになってしまいます。
そこで、相続により取得した財産を申告期限後3年以内に譲渡した場合、譲渡した資産の取得費に相続税のうち一定の金額を取得費として加算することができるようになっています。

2.取得費加算の計算式

取得費に加算できる金額は、以下の式により算出します。

取得費に加算される相続税額=
確定相続税額×相続により取得した土地等の相続税評価額(物納対象地を除く)
/相続税の課税価格(債務控除前の全財産)

例えば、土地と預金をそれぞれ1億円相続し、1000万円の相続税を納付した場合には10,000,000×100,000,000/(100,000,000+100,000,000)=5,000,000が加算可能な取得費になります。
このように、土地以外の預金等の財産の比率が高いと、相続税額の1,000万円が全て、取得費加算になるわけではありませんから、相続税を支払うために土地を売却したら、非課税ということにはなりません。

また、相続に際し、他の相続人に代償金を支払った場合、上記の計算式と異なり、土地の評価額から支払代償金のうち一定金額を控除することになります。

3.相続人の持分を検討

また、相続税の取得費加算は、飽くまでも土地を売却した本人が支払った相続税しか対象になりません。相続税を支払っている相続人がいても、売却した土地を相続していないならば、取得費加算はできません。そのためには、土地がいくらで売れ、取得費加算を多く使うためにはどの相続人がどのような持分を相続するのが有利か検討する必要があります。

4.具体的計算例

具体的計算例については下記の設例の通りです。

第54回 同族会社への貸付金がある場合の相続税対策(下) (2011年9月30日)
第53回 同族会社への貸付金がある場合の相続税対策(上) (2011年8月31日)
第52回 サービス付き高齢者住宅供給促進税制について (2011年7月29日)
第51回 成年後見制度と相続対策 (2011年6月30日)
第50回 小規模企業共済を利用した節税対策 (2011年5月30日)
第49回 相続時精算課税制度の活用方法 (2011年4月28日)
第48回 税制改正で生前贈与がより重要に (2011年3月31日)
第47回 2011年度税制改正に対応した相続税対策 (2011年2月28日)
第46回 子と孫への贈与に優遇税率が新設される (2011年1月31日)
第45回 2011年度税制改正 (2010年12月29日)
第44回 法定相続分の譲渡 (2010年11月30日)
第43回 不動産管理会社は管理から所有に (2010年10月29日)
第42回 不動産管理会社を利用した相続対策 (2010年9月30日)
第41回 2010年度の消費税改正について (2010年8月31日)
第40回 相続があった場合には消費税の申告 (2010年7月30日)
第39回 遺産分割と相続税の申告 (2010年6月30日)
第38回 賃貸マンション新築中に相続が発生した場合の評価 (2010年5月24日)
第37回 延納利子税・納税借入金の利息を経費にする! (2010年4月30日)
第36回 小規模宅地等の特例の改正 (2010年3月31日)
第35回 信託を利用した遺言の方法 (2010年2月28日)
第34回 住宅取得等資金の贈与の改正案について (2010年1月31日)
第33回 定期金の相続税評価と改正 (2009年12月31日)
第32回 相続放棄の申述と相続税の基礎控除 (2009年11月30日)
第31回 遺留分の減殺請求はどのようにするのか (2009年10月30日)
第30回 遺留分の減殺請求をどのように解決したら良いか (2009年9月30日)
第29回 相続税の延納とは? (2009年8月31日)
第28回 住宅取得等資金の贈与「500万円非課税制度」 (2009年7月31日)
第27回 相続税法における養子の取り扱いとは? (2009年6月30日)
第26回 相続税の税務調査のポイント (2009年5月29日)
第25回 生命保険はどのように課税されるか (2009年4月30日)
第24回 遺留分ってどんな制度 (2009年3月31日)
第23回 生前贈与する場合、いくら贈与するのが有利か (2009年2月28日)
第22回 銀行の取引停止〜本人名義の預金が凍結される〜 (2009年1月30日)
第21回 非上場株式等に係る相続税の納税猶予 (2008年12月30日)
第20回 新課税方式で相続税対策はどうかわるか (2008年11月28日)
第19回 遺言と異なる遺産分割の可能性 (2008年10月31日)
第18回 債務(借入金)の相続とは? (2008年9月30日)
第17回 農地等を相続した時の納税猶予 (2008年8月31日)
第16回 建物の利用状況で、土地の相続税評価額が変わる。 (2008年7月28日)
第15回 相続税は親子別居していると高くなる? (2008年6月30日)
第14回 遺言の必要性 (2008年5月30日)
第13回 相続税の調査のポイント (2008年4月28日)
第12回 相続税の課税方式が変更になる? (2008年3月28日)
第11回 広大地評価が利用できると、相続税が安くなる (2008年2月27日)
第10回 親族間の借金と贈与税 (2008年1月29日)
第9回 遺言書の種類と方法 (2007年12月28日)
第8回 物納・延納の改正 (2007年11月30日)
第7回 相続時精算課税制度を利用した贈与方法 (2007年10月30日)
第6回 賢い相続税対策の取り組み方 (2007年9月30日)
第5回 税務署からの「お尋ね」についての対応 (2007年8月23日)
第4回 相続した土地を売却した場合、譲渡税はどうなるか? (2007年7月31日)
第3回 申告期限までに、遺産分割がまとまらなかったら? (2007年6月26日)
第2回 申告後に、土地評価で疑問を感じたら? (2007年5月25日)
第1回 夫婦間の贈与は税金が安い (2007年4月27日)