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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2012年1月31日
2012年度税制改正大綱について
  税理士 深代勝美

2011年12月10日、政府より2012年度税制改正大綱が発表されました。相続・贈与に関する改正ポイントについて説明します。

1.相続・贈与関連の2011年度税制改正案は見送りに
〜2015年1月1日以後の相続・贈与から適用〜

2011 年度税制改正では、1.相続税の基礎控除の引き下げ、2.相続税の最高税率の引き上げ、3.死亡保険金に関する非課税限度の縮減、4.未成年者控除・障害者控除の引き上げ、5.子や孫などが受贈者となる場合の贈与税の税率構造の緩和、6.相続時精算課税制度の対象となる受贈者への孫の追加、といった措置を盛り込んでいましたが、国会における審議の結果、これらについてはすべて見送られることになりました。

これらの事項については、廃案とするのではなく、2015年1月1日以後の相続・贈与から適用される予定です。

2.2012年度の税制改正はどうなるのか

相続・贈与に関する主な改正ポイントは、以下の2点になります。

(1)住宅取得等資金の贈与税非課税の延長

  1. 暦年贈与により住宅取得等資金を受けた場合の非課税
    2011年中において父母・祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、上限1,000万円の非課税措置が設けられていました。
    この特例を受けた住宅取得等資金は、相続開始前3年内の贈与であっても、相続財産に加算する必要はありません。
    2012年以降は、特に省エネルギー性及び耐震性を備えた良質な住宅用家屋は、より非課税金額が拡大されて延長になる予定です。
    贈与を受けた年 ※良質な住宅用家屋の
    非課税金額
    左記以外の住宅用家屋の
    非課税金額
    2012年 1,500万円 1,000万円
    2013年 1,200万円 700万円
    2014年 1,000万円 500万円
    ※良質な住宅用家屋…省エネルギー性及び耐震性を備えた住宅用家屋

    適用対象となる新築、増改築は以下の要件となります。
    (1)  新築・購入の要件
      イ  家屋の登記簿上の床面積が240u以下であること。
      ロ  中古住宅を購入する場合は、耐火建築物は築25年以下、非耐火建築物は築20年以下であること。
      ハ  床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。
    (2)  増改築等の要件
      イ  増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。
      ロ  増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
      ハ  増改築等後の家屋の登記簿上の床面積が240u以下であること。

      東日本大震災により住宅用家屋が滅失した受贈者については、以下のようになる予定です。適用対象となる住宅用家屋の床面積は50u以上です。
    贈与を受けた年 ※良質な住宅用家屋の
    非課税金額
    左記以外の住宅用家屋の
    非課税金額
    2012年 1,500万円 1,000万円
    2013年 1,500万円 1,000万円
    2014年 1,500万円 1,000万円
  2. 相続時精算課税制度により住宅取得等資金を受けた場合の非課税
    親から住宅取得等資金の贈与を受けて居住用家屋を新築等した20歳以上の子は、その住宅取得等資金の贈与は1,000万円まで非課税とする特例について、適用期間は2011年12月31日までの贈与とされていました。今回の改正で3年延長され、適用期間は2014年12月31日までの贈与とされる予定です。
  3. まとめ
    よって、贈与税0円で住宅取得資金等を以下の金額まで贈与できます。

(2)相続税の連帯納付義務の緩和

金銭を無利息で提供された場合には、通常の利率により計相続税の連帯納付義務については、相続後長期間が経過した後に履行を求められるケースがあることから、そうしたケースの発生を防止するために連帯納付義務が緩和される予定です。
具体的には、申告期限等から5年を経過した場合、または納税義務者が延納もしくは納税猶予の適用を受けた場合には、連帯納付義務が解除される予定です。ただし、申告期限等から5年を経過した時点で連帯納付義務による納付を求められている場合には、連帯納付義務は解除されません。
この取扱いは、2012年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税と、2012年4月1日において滞納となっている相続税について適用される予定です。

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