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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2012年12月26日
信託を利用した生前贈与
  税理士 深代勝美

相続対策として、1人当たり年110万円という基礎控除額を利用した生前贈与について、関心のある方が多くいますが、その中でも「幼い子(孫)に対しての贈与をどのように行えばよいのか」という疑問をお持ちの方が多いです。

1.通常の贈与

民法においては、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」とされていますので、贈与を受けた側の受諾の意思が必要ですが、結論としては、贈与を受けたという意思表示が出来ない、生まれたての子供に対してでも贈与をすることは出来ます。
幼い子供自身は、この贈与について受諾することは出来ませんが、親権者が『法定代理人』として受諾すれば贈与を受けることが可能です(末尾契約書フォーム参照)。
贈与は口頭で行うこともできますが、後々贈与の事実の有無を問題にしないためにも、特にこのような代理での贈与契約を行う場合は、贈与契約書を作成した方が良いです。

このように幼い子供が財産の贈与を受けた場合には、その後の財産の管理は法定代理人である親権者が代わりに行うことになります。上記のケースでは孫名義の財産を母親が管理することになると思いますが、このような場合には時として税務調査で、その財産移転は孫の名義を借りただけで実質的には母親の財産なのではないかと疑問を持たれることがあります。
また、この方法ですと、財産が未成年者に渡ってしまい、親の希望と違う使われ方をされてしまうのではと心配になる親御さんも多いと思います。

2.信託を利用した贈与

上記のように、幼い子供に対しての贈与については、法定代理人の存在により可能なものの、その財産管理の方法と財産の使われ方の問題点が懸念されます。
その問題点をクリアにする方法が、信託を利用した贈与です。
信託とは、「財産の所有者が財産を預けて、財産の管理・処分を任せる(信託する)こと」です。

信託の登場人物は、次の三者です。
 ・財産を預ける人=委託者
 ・財産を預り、管理する人=受託者
 ・財産(利益)を受け取る人=受益者

この信託という仕組みを利用する方法は次の通りです。
贈与者である祖父を委託者、受贈者である孫を受益者、そして財産を管理する受託者を母とする信託契約を締結します。信託契約は委託者である贈与者(祖父)と受託者である管理者(母)との契約であり、受益者である受贈者(孫)は契約の当事者にはなりません。孫は契約書にサインしたり印鑑を押したりする必要がありませんので、幼い子供に対する贈与についても信託の利用が有効です。

契約後、委託者である祖父は贈与の対象となる財産を受託者である母に名義変更します。委託者である祖父から受益者である孫に移転しないで、財産が受託者の母に移転しているという点が信託の特徴であり利点です。
贈与財産の管理は受託者である母が行いますが、例えば「子が30歳になったら××円を渡す」など、信託契約に定めた信託の目的に従って受益者である子に、財産を子供が自由に利用できる時期を制限することが出来ます。未成年者が祖父の希望と違う財産の使われ方をしないか心配な場合などにも、財産が一度に子供に移転しない信託は最適です。

受託者に財産は移転しますが、受託者は預かり管理をするだけで、経済的な利益は得ませんので受託者には課税されません。また、受益者には財産は形式的には移転しませんが、実質的な利益が移転し、経済的な利益を得ますので贈与税が課税されます。
贈与税をはじめ、その信託財産から生じる利益に対する所得税、消費税など全ての納税義務は受益者にあります。
なお、受益者の財産の管理は受託者が行っているので、その贈与税についても、子供自身の財産である信託財産から支払うことが出来るように信託契約に盛り込むとよいでしょう。



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