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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2013年1月31日
書面添付制度のメリット拡大
〜加算税が課税されないことが明確に〜
  税理士 深代勝美

1.書面添付制度の意義

書面添付制度は、「計算し、整理し、または相談に応じた事項」を明らかにし、「申告書の適正性を表明」する書面を添付する制度です。

2.書面添付制度の目的

書面添付制度は、「税理士が独立した公正な立場において高度の注意義務を果たしたこと」と「誠実義務と忠実義務(説明責任)を尽くしたことを明らかにすること」で、
[1]「税務執行の円滑化と簡素化」を図り、意見聴取により疑問点を解消させることにより、調査省略につなげようとするものです。また、調査に移行した場合でも、疑問点が明確になっているので、調査の簡素化が図られます。
[2]「意見聴取結果についてのお知らせ」(いわゆる「調査省略通知」)は、その期待の高さを表しています。
[3]意見聴取後に提出された修正申告については原則として、加算税は賦課されない
とされてきましたが、意見聴取でも、ミスがあれば加算税が日常的に賦課されていたり、税務調査が有るなど書面添付制度の現状について疑問点や不満がありました。

3.改正の経緯

税理士会として要望していた意見聴取後の調査省略についての徹底や意見聴取と実地調査の境界の明確化について、調査手続については、2011年12月の国税通則法の改正を受け「事前通知」や「調査終了の際の手続」などの現行の運用上の取扱いが明確化され改善されて行くものと期待されますが、この度、加算税の取り扱いについても事務運営指針の改正が行われ、意見聴取の際の修正申告については、例外なく加算税が課税されないことと改正されました。
適用の時期は、2013年1月1日以降で、今後はこの指針に沿って税務署は運営されることになります。

4.加算税の改正内容の確認

意見聴取後に提出された修正申告書に係る加算税の従来の取扱いは、原則として加算税は賦課しないとしていましたが、ただし書きで、「加算税の適用に当たっては、非違事項の指摘を行ったかどうかの具体的な事実認定により『更正の予知』の有無を判断することになるから、修正申告書が意見聴取の際の個別・具体的な非違事項の指摘に基づくものであり、『更正の予知』があったと認められる場合には、加算税を賦課する」と規定されていました。
 新しい指針では、この箇所がすべて削除され、新たに、「意見聴取における質疑等は、調査を行うかどうかを判断する前に行うものであり、特定の納税義務者の課税標準等または税額等を認定する目的で行う行為に至らないものであることから、意見聴取における質疑等のみに基因して修正申告書が提出されたとしても、当該修正申告書の提出は更正があるべきことを予知してされたものには当らない」という規定が追加され、加算税の免除が明確になっています 。

5.今後の動き

財務省が、2012年10月31日付で「2011事務年度 国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価書」を公表しました。これによれば、2011年事務年度における税理士法第33条の2に規定する書面の添付割合(法人税)は7.4%で、前事務年度(7.0%)に引き続き上昇しているようです。
今後は、書面添付を利用したメリットを、税務調査前に税理士だけの事前聴取があって、いきなり税務調査にならない、というだけではなく、加算税の免除ということで納税者の有利性を説明しやすくなりました。税理士としては書面添付制度を積極利用して、差別化を図り、顧客獲得へ繋げるチャンスにしたいものです。

税理士法第33条の2に規定する書面の添付割合 (単位:%)
会計年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
書面添付割合 5.7 6.0 6.5 7.0 7.4
(出典)財務省  2011事務年度  国税庁が達成するべき目標に対する実績の評価書
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