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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2013年6月28日
管理会社に建物を売却しても、相続税を増加させない方法
  税理士 深代勝美

1.管理会社に建物を売却し、所得税・住民税・事業税を節税

管路会社に収益性の高い建物(ロードサイドの店舗など)を、父親から管理会社に売却しますと、所得税・住民税・事業税について大きな節税効果がうまれます。

(例)不動産所得が3,000万円ある建物を、父親から管理会社に売却した場合の節税額は下図のような計算になります
(管理会社からのお給料は、父親・母親・息子の3人でそれぞれ1千万円ずつ受け取るものとします)。

<売却前>  不動産所得  所得税・住民税・事業税の合計
  父親  30,000,000  13,374,000
<売却後>  給与所得  所得税・住民税・事業税の合計
父親  10,000,000  1,817,600
母親  10,000,000  1,817,600
息子  10,000,000  1,817,600
        3人合計5,452,800
<結論>  売却前  売却後  節税額
      13,374,000-5,452,800=7,921,200

2.父親から建物を管理会社に売却すると相続税増加

(例)時価(未償却残高)1億円、固定資産税4,000万円の建物を売却した場合の相続税の増加額は下図のようになります。

  1. 相続税の計算
    〈売却前〉 建物 40,000,000 × 70% 28,000,000
    (固定資産税評価額)
    〈売却後〉 貸付金 100,000,000
    差額 72,000,000
    〈結論〉 72,000,000 × 50% 36,000,000
    (相続税率) (増加する相続税)
  2. 譲渡税の計算
    100,000,000 100,000,000 0
    (時価) (帳簿価額) (譲渡益)
    譲渡益が0のため、譲渡税は0円です。
  3. 消費税の計算
    父親の基準期間(2年前)の課税売上高が1千万円を超えているので、消費税が課税されます。
    100,000,000×5%(消費税率)=5,000,000円
  4. このように父親から管理会社に建物を売却すれば所得税・住民税・事業税の節税にはなりますが、父親の相続が発生した場合には相続税が3,600万円増えてしまい、また消費税も売却した翌年には500万円納付しなければいけないので、大きな税金の負担が発生する結果となります。

    3.建物を息子に一旦贈与してから、管理会社に売却すると相続税は増えない

    では、どのようにしら上記のように相続税や消費税の負担を増えることなく、管理会社に建物を売却して所得税・住民税・事業税の節税効果がえられるのでしょうか。

    それは、建物を一旦息子に贈与してから管理会社に売却すると、所得税・住民税・事業税の節税効果をそのまま得られ、なおかつ相続税や消費税が増えません。

    (例)時価(未償却残高)1億円、固定資産税4,000万円の建物を息子に贈与してから売却した場合は下図のようになります。

    1. 相続税の計算
      相続時精算課税制度で建物を贈与 銀行から建物の代金を借入することにより、手元現金が1億円増加
      翌年3月15日までに贈与税600,000円を納めます
      (28,000,000 − 25,000,000)×20%=600,000
      (相続税評価額)(特別控除額) (税率)贈与税
      相続税の納税資金にあてられます
      払った贈与税は、父親の相続時に息子が支払う 相続税から控除されます 父親が管理会社に直接建物を売却すると、売却代金1億円は父親の相続財産となり、相続税の対象になります
      相続時精算課税での贈与ですから、相続税は増えません
    2. 譲渡税の計算
      100,000,000 100,000,000 0
      (時価) (帳簿価額) (譲渡益)
      譲渡益が0のため、譲渡税は0円です。
    3. 消費税の計算
      息子は基準期間(2年前)に不動産業を行っていないので、譲渡による消費税は0円です。

    上記のように、建物を一旦息子に贈与してから管理会社に売却すると、相続税や消費税の負担を増やすことなく、所得税・住民税・事業税の節税効果が得られます。

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