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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2013年11月30日
海外財産の相続税の評価は
  税理士 深代勝美

1.最近の相続税調査による「海外資産の計上漏れ」

2011事業年度の相続税調査で、申告漏れ財産で最も多かったのは現金・預貯金等1426億円で、続いて有価証券631億円、土地630億円、家屋76億円でした。
また、海外資産関連の相続調査件数は741件で、年々増えています。国税庁は海外資産を「積極的に調査を実施する」としています。

2.海外財産について相続税がかかる場合

次に該当する場合には、海外にある財産についても相続税が課税されます。

  1. 相続人の住所が日本国内にある場合(無制限納税義務者)
  2. 相続人(日本国籍)の住所が日本にない場合であっても、被相続人の住所が日本にある場合

要するに、相続人(日本国籍)の住所が日本にない場合には、被相続人または相続人のどちらかが相続前5年以内に日本国内に住所がある場合(非居住無制限納税義務者)です。
また、相続人の住所が日本にない場合(上記2に該当する人を除く)には、海外にある財産については、日本の相続税は課税されません。

3.海外財産の評価について

海外の土地建物については、現在、日本と同じような路線価や固定資産税評価額はありませんので、日本国内の財産と同様な評価はできません。そこで、海外不動産の評価においては、財産評価基本通達5−2のなお書きを適用し、「財産評価基本通達に定める評価方法によって評価することができない場合には、同通達に定める方法に準じて、又は売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」こととなります。

ここでいう売買実例価額については、ほとんどの国において不動産の取引に係る不動産業者等が存在しており、また、インターネットの普及により不動産の取引データが公開されている国が多いことから、売買実例価額の把握は難しくはないものの、対象不動産そのものの評価については個別性があり、単に売買実例価額で評価することは難しいことから、専門家である海外の地元精通者意見価格等を参酌するしかないのが実情です。

具体的にいくつか挙げてみます。

  1. アメリカ・イギリス
    不動産鑑定士に依頼して時価評価でき、また、不動産業者にも依頼して査定書も作成してもらえます。
  2. 中国
    不動産鑑定制度があることから、基本は土地評価師の協会に依頼して、不動産鑑定評価書を発行してもらうことができます。また、インターネットの不動産情報が検索できるので不動産取引ブローカーに査定してもらうことも可能です。
  3. 韓国
    原則、土地は地価公示による個別公示地価により評価します。建物は、標準建物比準方式によります。

そして、外貨建て資産を取得した場合の円換算は、原則として、その課税時期における納税義務者の取引金融機関の電信買相場(TTB)により円換算し、外貨建て債務を円換算する場合には、課税時期の電信売相場(TTS)により円換算します。

4.外国税額控除による二重課税の排除

国外財産を取得した場合に、その財産について日本のみならず外国の相続税も払うこともあります。これを排除するため、日本の相続税額から外国相続税相当額を控除することができます

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