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これだけは知っておきたい!相続・贈与

税理士 深代勝美 掲載日:2014年7月31日
事業用定期借地権のおよぶ範囲
  税理士 深代勝美

Q:パチンコ店およびその専用駐車場用地として賃貸している土地は、借地権が存するものとして評価することができるか。

(概 要)
@ 広大な土地(22,911.1u)を一体で、パチンコ店およびその専用駐車場敷地として賃貸している。
A 建物は賃借人所有。建物敷地は、事業用定期借地権設定契約(公正証書)15,537.2uのうち、約2,300u部分。
B A以外の敷地7,373.9uについては、事業用定期借地権追加契約(公正証書ではない)を締結している。

A:(図 解)

<当初申告>

(1)事業用定期借地権設定契約(公正証書)の土地の評価
  @ 店舗が建っている2,300u部分のみ、「事業用定期借地権の目的の土地」として評価。
87,400,000円(自用地価額)−13,110,000円(定期借地権等の価額)
=74,290,000円<事業用定期借地権の目的の土地の価額>
  A その他(15,537.2u−2,300u)の部分について、「その他の賃借権の目的の土地」として評価。
503,013,600円(自用地価額)−37,726,020円(その他の賃借権の価額7.5%)
=465,287,580円<その他の賃借権の目的の土地の価額>
  B @+A=539,577,580円
*87,400,000円+503,013,600円=590,413,600円
この評価額は当初申告において、不整形地補正等の減額を実施していない。

(2)事業用定期借地権追加契約(公正証書でない)の土地の評価
「その他の賃借権の目的の土地」として評価。
280,208,200円(自用地価額)−21,015,615円(その他の賃借権の価額7.5%)
=259,192,585円<その他の賃借権の目的の土地の価額>
*280,208,200円は当初申告において、不整形地補正等の減額を実施していない。

(1)+(2)=798,770,165円

(3)>鑑定評価額 781,000,000円 ∴781,000,000円

<更正の請求>

(1)事業用定期借地権設定契約(公正証書)の土地の評価
店舗部分と専用駐車場部分を一体として、「事業用定期借地権の目的の土地」として評価。
572,701,191円(自用地価額)−85,905,178円(定期借地権等の価額)
=486,796,013円<事業用定期借地権の目的の土地の価額>

(2)事業用定期借地権追加契約(公正証書でない)の土地の評価
「その他の賃借権の目的の土地」として評価。
215,760,313円(自用地価額)−16,182,023円(その他の賃借権の価額7.5%)
=199,578,290円<その他の賃借権の目的の土地の価額>

(1)+(2)=686,374,303円

<評価差額>

781,000,000円(当初申告)− 686,374,303円(更正の請求)=94,625,697円

1.事業用定期借地権設定契約(公正証書)による借地権の及ぶ範囲

(1) 検討事項
@ 当初申告
土地の一部に店舗が存しているのは、全体から見れば僅少であり、建物所有部分だけしか賃貸借契約での借家権がないとして、雑種地、すなわち「その他の賃借権の目的の土地」として評価されることになる。
A 更正の請求
店舗専用駐車場について、建物所有を目的とする賃貸借契約が存すると認められ、「事業用定期借地権の目的の土地」として評価することができる。

(2)過去の判例(国税不服審判所裁決2003年3月25日)より、“パチンコ店およびその駐車場用地として賃貸している土地に賃借権は存するか”という論点において、「本件土地の賃貸借の主たる目的は、パチンコ店などの経営に必要な本件建物を所有する目的にあるといえる。また、本件相続開始日現在において、本件土地の大部分はパチンコ店に来店する客に駐車場として利用されているものの、本件建物の一部は本件土地上に現に存していること、および本件建物と駐車場は一体として利用されていることから、借地権の及ぶ範囲は、必ずしも建物の敷地に限られるものではなく、パチンコ店として利用されている土地全体に及ぶものと認めるのが妥当である」。というものがあり、これに従って借地権は駐車場を含め一体として及ぶとして評価します。

2.事業用定期借地権設定契約(公正証書でない)による借地権の及ぶ範囲

土地7,373.9uの契約は別契約であるが、事業用定期借地権契約であるので、一体利用できると考えられるが、公正証書でないので、事業用定期借地権の要件に該当しないので、定期借地権ではなく、「その他の賃借権の目的の土地」となってしまいます。
事業用定期借地権設定契約は公正証書にしないと効力がないことを、追加契約時にアドバイスすべきだったと思われます。

3.当初申告の間違い確認

(1)建物が建っている2,300u部分のみ、事業用定期借地権として定期借地権評価額を控除し、その他の土地(15,537.2u−2,300u)については、「その他の賃借権として」7.5%を控除して評価。

(2)また、追加契約を公正証書にしなかったため、更正の請求でも7,373.9uについて、「その他の賃借権として」7.5%しか評価減が出来なかった。

(3)上記でも指摘している通り、不整形地補正等の細かな評価減の実施を怠っていた。

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