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特定事業用資産についての相続税の課税価格の特例

 宅地については、「小規模宅地等の課税価格の特例」により、一定の減額がありますが、それ以外にも、オーナーや社長などが亡くなった場合の株式の評価減や、山林の評価減が規定されています。この評価減のことを「特定事業用資産の特例」といいます。
 このうち、一般的に特例を適用する相続、または遺贈によって取得した株式・出資について説明します。

特例について

 特定事業用資産相続人が、相続や遺贈、または相続時精算課税による贈与で取得した「特定事業用資産」のうち、この特例の適用を受けるものとして選択した資産について、その相続・遺贈・贈与にかかる相続税の申告期限まで引き続き、そのすべてを有している場合には、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額します。

<特定事業用資産>

 非上場会社の株式、または出資の価額の合計額のうち10億円(相続時の発行済株式総数等の3分の2までの部分が限度)以下の部分をいいます。
 さらに、相続開始の直前および相続開始の時に、被相続人やその親族などが、特定株式等にかかる各法人の発行済株式総数等の2分の1超を有していること、その同族会社の発行済株式等の総額(相続税評価額)が、20億円未満であることが条件となります。

<特定事業用資産相続人等>

 被相続人から相続や遺贈によって特定事業用資産を取得した個人で、次の要件をすべて満たす人をいいます。
1. 被相続人の親族であること
2. 相続税の申告期限を経過するときにおいて、特定同族会社の役員であること
3. 相続開始時において、選択特定事業用資産である特定同族会社株式等にかかるすべての法人について、各法人の発行済株式総数等(議決権制限株式等を除く)の5%以上を有していること。

<減額金額>

 特定事業用資産の特例を受ける株式・出資の減額割合は、10%となります。従って、株式・出資の時価総額も「3分の2」と「10億円」のいずれか低い金額までは10%減額することができます。

<特例の併用>

 2003年度の改正から、「小規模宅地等の減額」との併用が可能となりました。選択した特例の適用部分が、その特例の上限に満たない場合、その満たない割合分まで、他の特例と併用できます。
 例えば、特定事業用資産が「3分の2」または「10億円」のいずれか低い金額に満たない場合や、小規模宅地等の適用面積が限度面積(400u、240u、200u)に満たない場合には、併用が可能です。

<手続>

 この特例の対象となる資産、または「小規模宅地等の特例」の対象となり得る宅地等を取得した相続人が2人以上いる場合には、この特例の適用を受けようとする資産の選択について、その全員が同意し、かつ、原則として相続税の申告期限までに分割されていることが必要です。また、相続税の申告書に、この特例の適用を受ける旨を記載するとともに、一定の書類を添付する必要があります。

<贈与財産>

 特定事業用資産に該当する株式等には、相続・遺贈により取得した財産のほかに、贈与(贈与税の申告の際に一定の届出をしたものに限る)によって取得した「特定受贈同族会社株式等」もあります。
 これは、相続時精算課税を選択した財産に適用されます。今後の会社の状況を考えて、将来、株価が上昇する可能性がある場合には、生前に精算課税の適用を受けておけば、相続時に贈与時の時価により相続税が計算されますので、大変有効です。