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更正の請求(特則)

 「更正の請求」とは、申告によっていったん確定した課税標準、または税額などを納税義務者が自己の有利に変更するように税務署に求める手続きです。
 ここでは相続税の申告後に異動があった場合の特則についてみていきます。計算誤りなどと異なる点は、当初の申告が適正にされていることが前提となります。

申告後異動に対応

 申告後に当初の申告内容が変わってしまうような事実が起きたときは、申告し直します。更正の請求は、税金が過大(納税者にとっては、払い過ぎに対する還付)となる場合ですが、過少となる場合には、修正申告や期限後申告により、新たに納税する場合もあります。
 相続税法では申告、更正または決定があった後に、次に掲げる事由が生じたことにより、その申告、更正または決定に係る相続税の課税価格または税額が過大になった場合には、その事由が生じたことを知った日の翌日から4カ月以内に限り、その課税価格および税額の更正の請求をすることができます。

未分割財産の事例

 具体的な事例で考えてみましょう。ある相続で、甲さんと乙さんという2人の相続人がいたとします。この2人は、遺産の分割を巡って意見が対立し、相続税の期限内申告期限(被相続人の死亡後10カ月以内)までに、話し合いの決着がつきません。通常、こういう場合は、甲、乙の法定相続分1/2ずつで仮計算して、ともかく適正な申告をします。その後、遺産分割が整い、甲は2/3、乙は1/3という割合で確定しました。
 この結果、甲は当初申告より取得遺産が増えますが、逆に乙は減りますので、当然、税金も減ることになります。したがって、乙は分割確定後4カ月以内に申告のやり直し、つまり「更正の請求」をして、税金を取り戻すことになります。
 この事例は、未分割財産についてのケースですが、そのほかにも相続人が変わった場合や分割状況が変わった場合、さらに、それまで適用できなかった優遇規定が適用できるようになった場合などに、更正の請求となります。ただし、先に挙げた事例の甲さんのような場合には、修正申告となり、新たな納税となる可能性があります。

チェックポイント

 更正の請求ができるケースを整理すると、次のようになります。

1. 未分割財産について、法定相続分または包括遺贈の割合に従って課税価格が計算されている場合において、その後その財産の分割が行われ、共同相続人または包括受遺者の課税価格が、法定相続分または包括遺贈の割合に従って計算した課税価格と異なることとなった場合。
2. 認知、相続人の廃除ならびにその取消しに関する裁判の確定、相続の回復または相続の放棄の取消しその他の事由により、相続人に異動が生じた場合。
3. 遺留分による減殺の請求があった場合。
4. 遺贈に係る遺言書が発見され、または遺贈の放棄があった場合。
5. 特別縁故者として、相続財産法人から財産の分与を受けた場合。
6. 相続税の申告期限から原則として3年以内に、未分割の財産が分割されたことにより「配偶者に対する相続税額の軽減」を適用できることになったとき、その適用の結果、従前の相続税額と異なることとなった場合。
7. 相続税の申告期限から原則として3年以内に未分割の財産が分割されたことにより「小規模宅地等の特例」、または「特定事業用資産の特例」を適用できることになったとき、その適用の結果、従前の相続税額と異なることとなった場合。