相続.co.jpは、相続・遺言・贈与など、相続に関連する情報を配信しています。
TOP > 学ぶ(相続用語) > 用語(公正証書)

公正証書

 法律の専門家である公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。

公証人

 公証人は30年以上の実務経験を有する法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員で、後記の公証役場一覧表記載の公証役場で執務しています。公証人は、公正証書の作成、定款や私署証書(私文書)の認証、事実実験、確定日付の付与などを行います。

証書作成等の依頼

 公証人に公正証書の作成を嘱託するときは、当事者の印鑑証明書と実印又は運転免許証やパスポートと認印その他の関係資料を持参してください。本人以外の場合は委任状(実印を押捺し、印鑑証明書を添付したもの)が必要になります。事前にファックスなどで契約内容や当事者の人定事項を公証役場に送っておけば、公正証書の作成が迅速にできます。

遺言公正証書

 遺言公正証書は、自筆の遺言と較べるとより確実で安全な遺言の方式です。自筆遺言の場合は、遺言者本人が死亡すると、相続人が家庭裁判所に遺言書を提出して検認を受けなければなりませんが、公正証書遺言ではそのような手続きは不必要です。公正証書の原本は、公証役場で保管され、遺言者には原本と同一の効力を有する正本をお渡しします。万一、正本を紛失しても再交付を受けることができます。
 遺言は、死後の財産処分に関する法律行為ですが、法律知識が十分でない遺言者の作成した自筆遺言は、内容に不備や誤りがあったり、不明確な点があったりして効力に問題が生ずる心配がありますが、公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成するので、正確かつ法律的に整理された遺言を残すことができます。
 遺言される方が病気で入院されているときなどは、公証人が出張して証書を作成することも可能です。ただし、遺言される人が、明確な意識があり、自分の意思で遺言をすることができる状態でなければ、証書を作成することはできません。手数料が1.5倍になるほか、公証人に対する日当(半日1万円)、交通費が必要になります。民法の改正により、耳の聞こえない方、口のきけない方も手話通訳・筆談による公正証書遺言ができるようになりました(平成12年1月8日)。

遺言公正証書の作成手続き

 遺言公正証書を作成する際は、証人2名の立ち会いが必要です。また、正確な証書を作成するため、遺言者の印鑑証明書、戸籍謄本、不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書、証人の住民票などを準備していただくことになります。

公正証書作成費用

 公正証書作成の手数料等は、政府が決めた公証人手数料令により、法律行為の目的価格に従って、次のように定められています。
目的の価額 手数料
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円
3億円までは5,000万円ごとに 13,000円加算
10億円までは5,000万円ごとに 11,000円加算
10億円を超える場合は5,000万円ごとに 8,000円加算
※目的価格の算定例
 遺言の場合は、相続人、受遺者毎に価額を算定して合算。不動産は固定資産評価額を基準に評価。相続、遺贈額合計が1億円に満たないときは11,000円を加算。
 以上のほか、公証人が病院等に出張して公正証書を作成するときは、目的価額による手数料が5割増しになり、規定の日当、旅費が必要になります。

書類の認証

 公証人は、一般の私署証書(私文書)の成立・記載が正当な手続きでなされたことを、公の機関として証明します。具体的には、当事者が私署証書を持参して公証役場へ赴き、公証人の面前でその証書に署名(記名押印)するか、証書の署名(記名押印)は自分のものだと自認した場合などに、公証人が証書にこのことを付記し、その証拠力により私署証書の真正な成立を証明するわけです。
 公証人の認証権限は、私署証書(私文書)に限られているので、公文書は認証の対象になりません。
 認証を受ける文書は、内容が適法なものでなければならず、公序良俗に反する記載のある文書、違法・無効の内容を含んだ文書、犯罪に供用されるおそれのある文書等には認証を受けることができません。認証の対象となる文書に、文字の挿入、削除、改ざん等があるときは、その状況によっては認証が受けられなかったり、あるいは、その状況を公証人が認証文に記載することになります。

外国語文書の認証

 私署証書の認証は、日本語だけでなく、外国語で作成された私署証書(私文書)に対しても可能です。ただし、外国の公文書は認証の対象になりません。

宣誓供述書の認証

 平成10年1月から、宣誓供述書制度がわが国でも採用されることになりました。主として、裁判所に証拠として提出するために使われるものですが、公証人の面前で記載内容が真実であることを宣誓するもので、偽証の制裁があります。

確定日付の付与

 確定日付は日付を証明するものです。法律行為には、先に契約した者が権利を得ることを原則とするものがあり、債権譲渡、権利質の設定などは、第三者に対抗するため、確定日付により契約日を明確に証明しておく必要があります。このような場合に確定日付が利用されますが、確定日付はあくまでも日付の確定で、文書の成立の真正などを証明するものではありません。

確定日付の手続き

 確定日付は、単に日付を証明するだけのものなので、文書の作成者が出頭する必要はありませんし、委任状、印鑑証明書なども不必要です。ただし、確定日付付与の対象物件は適式な私文書でなければなりませんので、作成者の署名か、記名押印がなければなりません。これが欠けている文書、作成年月日の記載が欠けたり不適切な文書、未完成・不完全な文書、違法や無効な文書、図面・写真そのもの(写真を添付した写真撮影報告書の形でないと確定日付は付与できません。)、文書の写しそのもの(前と同様です。)、枚数が多数なのに、それぞれの頁に契印のない文書(袋綴にしてあって、綴じ目に契印がある場合はよいとされております。)などでは、確定日付が付与されない場合があります。確定日付付与の手数料は1通につき700円かかります。